最近、あるシンガポール研究者の著書によれば、5分の1のシンガポール華人の若者は、もし来世生まれかわるなら日本人になりたいと答えています。それは、戦争を体験した反日意識をもつシンガポールの高齢者と対照的です。
第3に、日本マンガとアニメは、地元の漫画家に強いインパクトを与えています。アジア各国の漫画家のようにシンガポールの漫画家の多くは、日本マンガの影響を受けています。一部の地元の漫画家は日本マンガの作風、ストーリー、雰囲気、技術などを模倣しています。地元の大手出版社、エーションパクとチョンギーが出版したほとんどのシンガポールマンガは、あまり日本のマンガと変わらないと指摘されています。
一つ、おもしろい例を挙げてみましょう。これは、「ドラゴンボール」を真似したシンガポールマンガ「ドラゴンボーイ」です。主人公は髪の毛の他にドラゴンボールの孫悟空とそっくりです。シンガポールで最も人気がある漫画家トウテイメイでさえも、自分の作品は日本のマンガの影響を大きく受けていることを認めています。彼の一番好きな作品は手塚治虫の「鉄腕アトム」、水木しげるの「ゲゲゲの鬼太郎」と藤子不二雄の「ドラえもん」です。
日本のマンガキャラクターは、シンガポールの会社の商品やサービスをプロモーションする時にたくさん使用されています。例えば、シンガポール航空は日本からの乗客にキティちゃんのグッズをプレゼントしています。シンガポールのマクドナルドでも今年1月にキティちゃんのプロモーションを行い、シンガポールの人々を大混乱させました。これは、アジア民族の服装、例えば中国、マレー、日本、韓国の民族服を着ているマクドナルドのキティちゃんです。マクドナルドのキティちゃんのため、一時、30万の人々が徹夜で長い列をつくり、なかには怪我人が出たり、喧嘩をしたり、というような暴力事件も起こりました。今年の夏に日本にも同じプロモーションがあったけれども全然注目されなかったようです。
また、シンガポールKFCもこの夏に「ポケモン」のプロモーションを行いました。シンガポールテレコムは、多くのドラえもんテレホンカードとキティちゃんのポケットベルと電話を販売しました。