一つは、「キャンディキャンディ」です。「キャンディキャンディ」は、シンガポールに進出した最初の日本テレビアニメです。1977年と1984年の2回放送されました。女の子のなかで一番人気のアニメでした。
次は「鉄腕アトム」です。英語では「アストロボーイ」といいます。80年代にシンガポールの二つのテレビチャンネルで英語と中国語で放送されました。男の子の間ですごく人気がありました。その後、2回も再放送されました。
日本マンガとアニメは80年代に入ってきましたが、本当のブームが起こったのは90年代以降のことでした。90年代になって、日本マンガとアニメは、香港マンガとアメリカマンガとアニメを追い越してシンガポールの市場の主流を占めるようになりました。90年代の人気作品は、「スラムダンク」「ドラゴンボール」「らんま1/2」「セーラームーン」「金田一少年の事件簿」「GTO」などです。
日本マンガとアニメがシンガポールでブームになった要因には、次の4つが挙げられます。
第1に世界的なブームが考えられます。日本マンガとアニメは世界中に進出しています。アメリカでは「ポケモン」が人気ナンバーワンとなっています。ヨーロッパやラテンアメリカでも日本マンガとアニメのオタクがたくさんいます。しかし、世界中でもっとも日本マンガとアニメを受け入れている地域は、やはりアジアです。台湾と香港はアジアにおける日本マンガとアニメブームの二大中心地です。これら二つの場所から日本マンガとアニメはアジア各地の華人社会に広がっています。シンガポールも例外ではありません。日本マンガの中国語版、アニメのビデオCDのほとんどは日本からのものではなくて、台湾と香港からきているものです。
第2に、シンガポールのマンガとアニメには、日本の作品と競争できるようなものはありません。シンガポールに特色のあるオリジナルマンガはいくつかありますが、それらのほとんどが英語のマンガです。