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また次の部屋が空いた、またしめしめと書庫にしたという感じで書庫が増えました。書庫が増えたからといって利用者が増えるかというとまったく増えません。だんだん知れ渡っていて多少は増えていますが、料金が何百円の世界でやっていますので。本当はしっかり年会費10万円いただいて、大宅壮一文庫のように運営できたらいいなと、目標にして努力はしているつもりです。しかし現実には、賛助会員1口1万円からということで募集していると、「じゃ、1口で」という方が圧倒的に多い状況です。テレビ局や新聞社からマンガの記事やマンガの番組をつくるときに資料を貸して欲しいと要望があった時に、この時ばかりと賛助会員になってくださいというと、いや、いま景気が悪いんでとか、スポンサーが少ないからとかいろいろな理由で断わられます。テロップに漫画図書館資料提供と入れるから無料で貸してくれとか、せっかく一番期待できる収入源なのですが、最近はそこも非常に厳しい。

それから、漫画喫茶がどんどん増えていまして、漫画喫茶のオープンに協力もしておりまして、何万冊かの納入で運営費の足しになっていました。ところが最近、それが仇になりまして、最近のお客さんがみんな漫画喫茶で読んで満足してしまっています。昔は、漫画喫茶にないと、わざわざ私のところまで来てくれた方がたくさんいたんですが、最近のものを読む方はそこで終ってしまう。そこにない、そこじゃ我慢できない人だけがやっとわざわざ来てくれるというような感じで、大変つらい経営をしています。

そんな世界から今日のお話を伺うと、先ほどの何億とかいう話も非常にうらやましいです。しかし、やはりお金になるんなら出そうというだけでというのも疑問です。やはり大事な部分についても考えていただきたいと思います。

私はマンガのデータベース化もやっておりまして、実は、昔のDOSベースでフロッピー別に少し保存したんです。ところがその後ウインドウズに変わってしまった。DOSのファイルを移行する費用を最近試算してもらったら、うちの16万冊の蔵書をデータベースにするのに10年かかるという話です。

 

 

 

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