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牧野 もちろんそうです。古くはありません。リーダーたちが、新しいマンガを見ていない現象をそのように表現しただけです。―タンクたんくろうもロボットなんですよ。

 

竹内 「のらくろ」を経団連の皆さんが見て、「うん、これはちょっと尻尾が違うぞ」みたいな話がニュースになった暁に、少し変わっていくと思います。

 

牧野 おっしゃるとおりです。よくなるたびに勲章を変えていくとかですね。

 

竹内 そうしたら、私たちは最先端の映像でそれらをリメイクしますあそれで新しい世代に、あなたたちのおじいちゃんたちが、いま忘れているかもしれないけれども、昔子供時代に熱中した同じ思いを違う形で伝えてゆきます。先ほど田中さんが言っていた作品のエッセンスというのは時代を経ても変わらないと思います。ただ、スタイルはいろいろ変わってくる。もしかしたらすごいマーチャンダイジングの「のらくろ」が出てしまって憂う人も出るかもしれませんが、時を経てすたれない作品の伝承ということは、経済効果的にもすごく大きいと思います。

 

牧野 田河水泡先生のお墓のところに小さなブロンズのノラクロ像があります。それは私がつくったんで、ノラクロそのものは愛しているわけなんです。ただ、マンガといえば「あれね」というふうに固定観念をもってしまう悲しさみたいなものを申し上げたとお考え下さい。ここまできまして、あと15分ぐらいしか予定の時間がないんですが、これまで発言されなかった方もいかがでしょうか。

 

清谷 先ほどの話に戻りますが、海外でオリジナルを変える変えないという話がありましたが、アメリカの場合はかなり特別な部分があります。というのは、アメリカ人というのは自分たちの掲げているスタイルに変えないと絶対に受け入れないという性格があるんです。

 

 

 

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