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「エヴァンゲリオン」というのは私2回見たんですが、実は、全然よくわからなかったんです。丁寧につくられていることはよくわかりました。日本の読者はいろんなマンガも見ていてるので、マンガとテレビと映画を見て、どこがどう違うとかと、非常にマニアックなレベルで盛り上がっていたようですが、私には全然意味がわかりませんでした。

あれだけ話題になった「もののけ姫」も「エヴァンゲリオン」も、海外には広がっていけなかったわけではないですか。そうすると、宮崎駿といったら、いま日本では一番と、たぶん普通のおじさん、おばさんは思いますよね。それも駄目で、あれだけ若者に盛り上がった「エヴァンゲリオン」も何だかいまひとつよくわからないとなると、本当にアニメが海外で評価されているのか疑問に思います。フランス人に受けているとかいろいろ言われる話はもので読みますが、それは一体フランスのどの層に受けているのか。レベルが高いというのか、趣味がいいというのか、オタクなのかよくわかりませんが、特別の層にしかうけていないのか、大衆に浸透しているのか、アッパーレベルまで作品に触れているのか、いまひとつよくわかりません。

伺いたいのは一つでして、エネルギーのある作品なら、たとえ日本の文化の背景が出ていても外国人にも受け入れられると思うんです。田中さんがおっしゃった吉祥寺にあるリアルな気持ちの入った作品とおっしゃったのは、たぶん、他人の真似ではなくて、エネルギーがすごくある作品という意味だと思います。日本的なアニメとグローバル展開という話をどのうように考えればよいか少し整理していただけると助かります。

 

竹内 ちょっと訂正させてください。いま「新世紀エヴァンゲリオン」「もののけ姫」は海外で失敗したとおっしゃられましたが、逆に成功していると私は判断します。たしかに、いわゆるハリウッド映画が全世界を席巻するほどの成功はしていません。「エヴァンゲリオン」については、そのビデオパッケージをたくさんの方々が買った、関連の書籍雑誌が数多く売れた買ったという話を沢山の方から聞きます。

 

 

 

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