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そこがスタートだと思います。だから、お金がいくらだからこれでつくってくださいというやり方もありますが、最初からそれをやっていくと、そこでできるものの質にも限界が決まってしまいます。

私は、長い期間、漫画家先生やアニメの監督さん達と付き合ってきましたが、やはりアーティストの方々は制作費やマーケティングという部分では苦労する必要もないし、苦労を必要条件と考えるべきではないと思います。人によって、アーティストによって、本当に牛丼をつっつきながら二人でネームやシナリオの打ち合わせをして、いや、こうやってこれがヒットしたら家が3つ買えますよ、とかいいながら信じてやってゆく、そのハングリーなエネルギーで面白い作品ができる人もいれば、海外旅行にどんどん行っていろんなものを見て、それを自分の作品に取り入れてヒットする人もいます。たぶんマンガやアニメの世界もすごく多様化してきていて、様々なケースがあっていいのかなと思っています。

きょうお集まりの皆さんは結構プロの業界の方々が多いと思いと聞いています。お金の話も含めて、評論的にではなく、自分がこういう市場でこういうことをやっている、どうしていけば今後産業として発展してゆくか、という広い範囲のお話を聞きたいと思っています。

 

牧野 それがきょうのお話のポイントでもあります。こういう視点でご発言いただだける方がいたらお願いします。

 

莫 企業化できるかどうかというと、結局市場はどこまでもてるかの問題です。13億か、130億か。市場が百万人か1千万人か1億人かによって違ってきます。私も最近驚いたことですが、中国のある大手会社が日本に打診してきて、マンガ、アニメを一緒につくりませんか、私たちも出資しますよと言う。企業としてマンガを投資の対象とみているんですよ。

ここ数年ですが中国の映画が評価されているようです。中国の映画の作り方をみると、中国国内の監督さんがメインで映画をつくるんですが、田中さんのようなプロデューサーは台湾の方です。

 

 

 

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