竹内 あのイベントは私の会社も企画参加、協賛しています。ありがとうございます。是非、日本でも数多くの方に紹介してください。
清谷 たまたまそこに行ってきたんですが、今回、現地の子たちがビジュアルロックのバンドをつくって日本語でXジャパンの歌を歌っているんです。こういうのは5年前でも全然予想できなかったようです。森本さんがサイン会をやると長蛇の列ができるんですよ。そのぐらい現地の人たちも熱い思いをもっています。
そういうところでは、海外で先ほどおっしゃったように評価されているというところがありますが、日本の場合、何かものごとを評価するときに、有名であるかとか、もしくは誰々さんが認めたというのがすごく大事なんです。例えば、日本ですごく優秀な技術をもっている中小企業が、「うちの製品を使ってください」と大企業に売り込みにいきます。そうすると、「オタクの売上いくらですか」とか「どこの会社が採用していますか」「ないです」と言うと、「それではちょっと」という話になるんです。ところが、アメリカヘもっていくと、「お、これはすごい。こういうのがあったらうちはいくらでも買うぞ」と、その場で決まってしまうわけです。
その現物を見て話を決めるのではなくて、どこどこさんがどうですかとか、例えば東芝だったら「松下さんが使っていますか」とか「日立さん使っていますか」といって、使っていなかったら使わないです。でも、逆にいえば、よそが使っていないものでいいものだったら使えばいいじゃないかと思いますが、どうしても世間の評判であるとかを。たぶん野崎さんがおっしゃったのはそういった面だと思います。
つまり、ある程度世界でオーソライズされた、つまり「マンガってすごい」「芸術だ」と言わないと、いわゆるおじさんたちがわかってくれないという部分があると思います。そういう人たちがわかってくれないと、田中さんとか竹内さんのような方に、じゃ資金を出そうとか、サポートしてやろうという人がなかなか現れないというところがすごく大きいと思います。