野崎 役所を相手にしても無駄だから、そういう話はやめましょう。役所に相手にしないで、産業界で我々プライベートセクターとしてどうやっていくべきかというのでいいと思います。
今日は、莫邦富(モーバンフー)さんがいらっしゃっています。中国ご出身のジャーナリスト方ですが、日本に対して私は愛を語れると常日ごろから言っておられて、こういう日本の文化にも愛を語っていただきたいのですが。
莫 突然のご指名で恐縮いたしますが、たしかに日本のマンガ文化は、私も最初日本に来たときに電車のなかでマンガを読んでいる大人を見て軽蔑していました。もう大の男なのに、あるいは大の大人なのに、もっと活字文化を楽しめと、そう思っていたんですが、偶然、私の考えを変えてしまったのは、「明日のジョー」というもので、それを見たら結構吸い込まれてしまったわけです。
私は日本に85年に来日して、数年後に5歳の娘が来ましたが、日本の文化とのふれあいができたのがマンガです。「ちびまるこちゃん」を見て、絵もきちんと描いてないじゃないかと思っていたんですが、結局、子供と同じ言葉をもたないと、話題をもたないと駄目だと思って私も一緒に見ていました。いまでも日曜日に家にいると、娘は卒業してしまったんですが、私もアニメを楽しんでいます。
先ほどの皆さんの発言を聞いていくと、オタクというグループが一歩控えているところがあるというお話、これは事実だと思います。ゴッホなども生きていた当時評価されていたかというと、評価されていなんですよ。文化の変わり目、時代の流れということを考えると、いまの時代はどんどん映像の文化に流れていくし、特にブロードバンドの時代がもう目の前に迫ってきているんですが、日本でいえば超高速インターネットでしょうか、そういう時代になれば、いまの活字とか写真などを流しているインターネットが、今度は映像を流す時代になるわけです。