廃れないという話がありましたが、かつて大ヒットしました「ビックリマン」というチョコレート、昨年そのリバイバルというのを何社かの大手メディア関連の会社で展開しまして、今回このキャラクターのメインデザインを私の会社でやらせていただいています。
このプロジェクトはアニメーションのというよりも、キャラクター作品です。これが一番最初に出たのが十数年前ですが、テクノロジーが進み、子供の生活環境が変わっても、好きなもののエッセンスというのは変わりません。ただし、同じものをそのまま今の時代にコピーしてヒットするかというとヒットしない。今回、このビックリマン製作委員会というチームでは、現在の子供たちの感性というものをきちんと研究して、なおかつ、この作品が持っている昔からヒットした面白いテイストというのをミックスして現代版に蘇らせたわけです。
キャラクターを開発するときに作家さんと私たちが一番注意するのは、今の子供の感性に触れつつ、でも、いまの子供たちに媚を売り過ぎないということです。このチョコレートのビックリマンシールというのは昨年かなりヒットしまして、マーチャンダイジングとかアニメーションなどにも展開されました。今後は海外進出の可能性も出ています。
マンガとかアニメーションの世界では、「ウルトラマン」や「ゴジラ」など、現在でもヒットしているものには、その源流というのは実はもう十数年も前から日本のマーケットに存在しているということが多々あります。それが、形を変えてリバイバルされたり、海外に出て行ったりするのです。そういったものが評価されるにしたがって、様々な角度から数多くの人たちの目に触れる機会というのが増えてきます。だから、現在「ポケットモンスター」がヒットし、「デジモン」がヒットしている状況で、アメリカではジャパニメーションブームだと言われていますが、これは、突然起こったことではなくて、長い歴史のなかでそのような下地もあるということを、まずわかっていただきたいと思います。
田中さんなどの作品にも共通して言えるのですが、「メモリーズ」とか、大友克洋さんの「アキラ」という作品もアメリカで公開されて数年から数十年ぐらいたちますが、これらを見ていたアメリカの人たちというのがちょうど今30歳台とか40前半、下のほうは20代後半。