竹内 私の作品はまた合間、合間でご覧いただいたほうがいいかと思いますが、いまのご質問に対して端的にお答えします。
私の略歴は省きますが、マンガを中心として今CGアニメーションですとか幅広くやっております。活動範囲はいま半分以上が海外です。日本が拠点ですが海外に対するセールスなどをやっていまして、一言でいまの牧野先生のご質問にお答えすると、やはり、マンガとアニメに関しては日本の特異性、これは歴史的な積み重ね、制作者たちのいままでの努力、そして日本人のクリエーターたちが持っていた感性、このこの三つが非常に良い形で評価されていると思います。その評価に耐えうる作品のクオリティレベルというものをきちんと今ままで守り続けてきた。この点に尽きると思います。
先ほど野崎さんからご質問があった、なぜそういう優秀な作品が海外に紹介されないのかという点ですが、これは決して特定の企業がどうのこうのという問題ではないと思います。ITという言葉が流行ってから国内でコンテンツとよくいわれるようになりました。日本で海外に通用するコンテンツは何だというときに、マンガ、アニメーション、テレビゲーム、ということがよく言われますが、では、実際それをどのように海外に出していくのか、どういうふうにビジネスとしてやっていくのか。ここが大切になります。現場にいるとよく解るのですが、声は聞くものの、行動として、支援として何をしていくかというところが、まだまだ追いついていないのが現状であると私は考えています。
牧野 これは何年倉庫に入れておいても腐らない、絶対に劣化しないんだというお話で、非常にこころ強いものですが劣化しないのはなぜでしょう?
それともう一つ。外国の方々、例えば韓国や中国、特に韓国は政財界をあげて日本のアニメーション、マンガに追いつこうという勢いです。彼らはいずれ追いついてくると思われますか。時間が経てば追いつくようなものなのか、独特の、感性的な要素が多いから追いつくのはたいへんなのか?いかがでしょう。