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田中 これは、今後インターネット上で放送される開始当初は短い尺の映像というのものが提供されていく可能性が高いのではないかということで、3分の映像にチャレンジした作品です。それぞれ芸術的にも、また創作手法的にもいろいろな可能性に挑戦しています。3Dのなかに実際に演技した人間の顔を入れ込んでみたりとか、かなり高い解像度でつくることによってハイビジョンに対応したアニメーションをつくってみたりとか、それから、日本の古来もっているテイストをそのままアニメのなかにもってこられないかということを意識した作品もあります。次の作品はキャラクターも背景もすべて3Dでできていまして、海も船もペイントも全部3Dでできています。そういったものを3Dっぽくなく2D的に処理したらどういうことができるかということにチャレンジした作品です。

また、私どもの作品としてはミュージッククリップが大変多いのが特徴です。これは、去年の4月になりますが、GLAYというグループのミュージッククリップです。通常、楽曲はCDシングルで発売されるのですが、これはビデオシングルという形だけで百万本を売り上げました。新しいリリース形態に挑戦するということで高い評価を得た作品だと思います。

これはコマーシャルフィルムです。

次はベルギーからの発注でつくられたミュージッククリップです。この作品は、世の中にフロア音楽というカテゴリーの先駆けとなった曲としてテクノ界ではバイブル的に評価されております。ドイツ・北欧などのヨーロッパ諸国に行きますといまでも高い評価をいただいています。残念ながら日本では公開されておりません。このショットのグッと下がるところ等々もそうですが、基本的にすべての映像が3Dでできています。実をいうと私たちは2.5Dということを追求しています。これはどういうことかといいますと、海外の実写の3Dの実力というのはかなり高いのですが、それらと比較対象する時にどこで個性をだすかと考えた結果の答えが2.5Dです。全部3Dで作りながら2Dに見える。2Dで私たちの映像がどこまで絵的に表現できるかというところを追求しています。

 

 

 

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