そうなると、やはり、コンテンツ産業、コンテンツ文化は衰退していくということであります。ある程度のところまできたら、技術の戦いだとか、あるいは品質の高度化というのは、その産業に相応しいところで妥協し、基礎技術研究を常に逞しく行っていかないとと大変なことになるのではないかという気がしないわけでもないのです。
日下 通産省所管と残念そうにおっしゃいますが、文化庁に所管された方が邪魔くさいのではないですか。
橋口 そうですね。むしろ私共が文化を意識した産業の発展を考えるべきでしょう。
野崎 人材育成についてちょっと質問をさせていただきたいのですが。日本のゲームもそうですが、マンガの原作力というのはものすごく優れています。あらゆるジャンルのことを小説のように書きこなしてくる。未来もの、歴史もの、あらゆる設定のものを書きこなす。原作力がすばらしいのです。そういうものが描ける人材があるわけなのです。
しかし、将来のことを考えると、産業として立派でない、文化的にも軽んじられているものですから、東大を出た方々はみんな官僚だとか一部上々のいわゆる立派な勤め先にいって、マンガ家にはならないということが過去50年くらいあったわけです。アジアの諸国を見ますと、先ほどおっしゃったように、韓国は、ちなみに大学40校にマンガ学科があります。そのほかの国々も政府をあげて情報産業として育成しているわけです。
そういうことをナムコなどは考えているのではないかと思うのですが、いかがでしょう。
橋口 学校は既に経営しております。普通の学校というのは理論を教えるのが普通でございますが、当社としましてはOJTという形をとっており、基礎ができている人たちが実際にゲームをつくって、更なる技術を学んでいただくというふうに学校はやっております。