日本財団 図書館


織部は家康に殺されましたから。徳川家がずっと続いて、織部が自害して、京都の富裕な商人の皆さんがたくさん織部好みを持っておったのですが、これはまずいということで古井戸に投げ込んだ。それが、ここ数年くらい前に大量に発掘されましたが、それで、織部はずっと歴史の下に沈潜してしまった。

細々と織部流の茶道は残っておりますが、古田織部というのは、当時としては全く奇想天外であったのです。ひび割れも結構、ゆがみもいいと。これは、一つ一つに個性があると。個性の美であると。こういう哲学ではなかったかと推測される。傷もまた美なりということで、これを延長して考えると、障害者福祉とか人間愛ということにつながるのです。織部流に言うと、障害もまた個性なりというような言い方もできるわけです。

この個性尊重という考え方が、21世紀向けではないか。型にはまった、寸分たがいのない、几帳面につくった茶わんがいいと。あるいは、英語も数学も、何でもかんでも一生懸命勉強して、総合点が非常に高い。これが立派だと。こういう人物評価の時代から、どこかいいところはないかと、その人の個性、得意な面を発掘して伸ばしていく。こういう時代に織部流の発想が向いているのではないか。織部哲学は向いているのではないか。

ちょっと長くなりましたが、そういう意味で、やはり織部というものを現代流に再現する。それを、オリベイズムとかオリベスクと称して色んなことに応用している。こういうことなのです。

 

牧野 ありがとうございます。

日下さんは、独自のマンガ、アニメというものに対する視点をお持ちですが、それを、ぜひここでご披露願いたい。そして、さらに、いまお聞きになっていて梶原さんにどんな感想をお持ちでしょうか。

 

日下 岐阜県でマンガを教育に取り入れると、偏差値が上がるだろうと思います。それから、偏差値だけでなく、この世を生きていく才能の溢れる岐阜県民が増えてくるだろうと思っております。簡単に言えば、マンガをやれば頭がよくなるはずだと思っています。

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION