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シリコンバレーの社会と東部のいわゆるエスタブリッシュメントの社会との差というのは何かというと、一言で言うと、シリコンバレーはカジュアルだと。カジュアルな社会に、今、なりつつあるのではないかと。柔らかい、軽い、伸びやかな、変化に富んだ社会風土に移行しつつあるのではないかと思うのです。そのことと同時に、やはりマンガだとかアニメだとか、そういうものが益々重要になってくるのではないか。このように思います。

そういう意味でも、マンガとかアニメというのは大事にしていかなければならないと思います。特に、IT化でマルチメディアやインターネットのメディアになってきますと、情報を送る場合、もちろん活字、文字も大事ですが、やはりビジュアルな情報量が活字と違って格段に差がある。ビジュアルな情報力が圧倒的な力を持ってくるのではないか。ITという側面だけを見ましても、そんなふうに思います。できれば、今、日下さんがおっしゃったように、産業として考えていく必要があるのではないかと思うのです。

岐阜県が具体的にどんなことをやっているかと言うと、今、牧野さんにおっしゃっていただいたように、マンガシリーズで、古田織部、円空、そしてロダンのモデルになった花子の3冊を出しました。これをあちこちに配っておりますが、子供というよりも、むしろ高齢者の方の関心が高いのです。これは意外でした。郷土の歴史、あるいは人物を紹介していく上で、マンガという方法は非常に良かったのではないかと思います。

それから、順不同で色々申し上げますが、大垣女子短大という私立の学校がございます。私は、何とかしてマンガの人材を養成しなければいけないということで、大垣女子短大にお願いして、マンガコースをつくってもらいました。

当時、学校側も半信半疑だったのですが、去年、理事長さんが、「知事さん、おかげさまで助かりました。」と言ってきました。何でですかと言ったら、「マンガコースをつくってもらったおかげで、学生は全体的に減っているが、うちは志望者が大変多い。

 

 

 

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