梶原 岐阜県知事の梶原でございます。お招きいただいてありがとうございます。
今朝、岐阜県の東京事務所に、インドのバンガロールがあるカルナタカ州のデスパンデ工業大臣がおいでになりました。私が3年前にバンガロールにお伺いした時にお会いした大臣なのですが、わざわざ東京事務所においでになって、岐阜県と州と協定をしたいとおっしゃいました。
ポイントは三つありました。一つは、インドはゲームソフトが弱いので、ゲームソフトの面で提携したいという項目が入っておりました。それから、岐阜県にバーチャルリアリティーのセンターがありますが、そこには韓国のゲーム振興センターのブランチが入っておられます。そのように、日本のゲームだとかアニメだとか、そういうものに対する関心が、IT化の進行とともに大変高まっているということも肌で感じるわけでございます。翻って、日本のマンガだ、アニメだ、ゲームだというものに対する認識がどうかと言いますと、日下さんがいつもおっしゃっておられる通り、どうも、正当な評価がされていないのではないかと思います。
岐阜県は、牧野さんにもずっとお世話になっておりまして、マンガを県の行政に取り入れようということをずっと進めております。なぜそういうことをやるかというと、特別大上段に振りかぶった理由はないのですが、私たちが子供のころは、やはりマンガで育ちました。私達の世代は古く、「のらくろ上等兵」とか「冒険ダン吉」という時代で、皆さんとちょっと違うのですが、マンガというのが、子供のころの生活の中で大変ウェートが高かったのです。
それがなぜか、だんだん中学校、高等学校、大学という過程に進むと、マンガの影が薄れてきた。こういう思いがあるのです。それで、実社会に入るとマンガというのはむしろ悪だというように言われて、家庭でも、「マンガばかり読まないで勉強しなさい。」と言って、お母さん方が子供を叱りつけるという場面が多い。
幸いなことに、マンガを小学校、中学校、高等学校、大学生まで、大いに活用する、こういう時代になったということは、私は素晴らしいことだと思うのです。