言葉はフランス語に変えたり、いろいろ工夫してありますが、なしにろマンガやアニメなかに出てくるのが2DKの公団住宅であったり、中学生の学校生活であったり、日本のままであります。それをフランスの子供が見る。彼らは自然にコタツとか、畳に布団を敷いて寝るとか、学校には下駄箱があるとか、日本の文化に触れることになる。日本文化にすっかり慣れているのです。だから、日本ヘホームステイに来ても全然驚かない。
そういう日本人モドキが世界中に生まれる。多分「心」もそうではないでしょうか。世界の人々の心も日本人モドキに今なりつつあって、それは決して悪いものではないというわけです。考えてみるとギリシャやローマもそうでした。領土だけではなく、ギリシャ文明圏とかギリシャ精神圏というのを持っていたのです。ローマもそうです。イギリスもそうです。アメリカは最近余りないと思うのですが、ハリウッド映画などがそうでした。
日本もそういうものを持っている。イギリスのエコノミストという雑誌は、アジア全部が日本に恋焦れるようになったと書いているわけです。ただし、ヨーロッパの人々が恋焦がれていると書かない。ケチなやせ我慢ですね(笑)。ヨーロッパもアメリカも、若い人はみんな日本化しているのにそれを認めないようではイギリスも大したことはない。
それに続いて産業的利益がどんどん出てきた。これから更に出てくるだろうと思います。そこにいる野崎も極端なことを言いまして、これだけ日本のマンガ、アニメが世界に売れていくのならば、小学館とか集英社とか講談社にある古マンガの在庫は5千億円くらいで売れるかもわからない。本当かと思いますが、ビル・ゲイツさんが買いにきたらそのくらいのことは言うでしょう。それは、明日にでも起こるかもわからない。これを、あらかじめ想像できるかどうかが大切なことなんですね。
兼ねてより想像力豊かな梶原知事と思っておりまして、今日はお話が聞けるのを楽しみにしております。
牧野 それではよろしくお願いいたします。