日本の場合、マンガというものは全く下積みの状態から出発、赤本、貸し本屋さんから生まれてきた文化であるということで、だから力が強いのだという言い方もされるのです。しかし、韓国は、これは大変な大きな産業なのだということで、もう大統領がそれを推進し、企業が後押しするというようなスタイルをとっている。今やマンガのマーケットというか、見本市などは日本よりはるかに立派です。それから大学も、日本では4年制美術大学では京都精華大学だけであり、短大に2つのコースしかありませんが、韓国ではもうかなりの数になています。ということで、大小合わせると42校であるという情報もある。お国柄というか、関与の仕方、マンガ文化を、下から持ち上げて成功した日本の国の見方と、それを後から追いかけて、これから国家的な事業にしていこうという国との違いがあると思うのです。「現場はよろしい。好きであれば劣悪と見えようが、惨めと見えようがそんなことはいいだろう。つくっていけばいいのだという一方で、その成果物であるマンガ、アニメーションはあまりに大きな影響力を持ち始めた。―この落差ですね。最後になりますが、そのバランスといいますか、関与すべき範囲は恐らく皆さんの関心事であり続けるのだ思います。
高城 最後になってしまったので言いますが、僕は海外で学校をやればいいと思うのです。韓国で多数あるのでしたら、台湾で日本のアニメ学校を絶対にやるべきです。それは当然子供向けでも大人向けでもいいのですが、絶対にこれは儲かるでしょうし、さっき言ったようにローカライズするために、現地の学校と一緒にやることが非常に重要だと思うのです。現地資本だったりとか、55%だったり、向こうに持たせたりということだと思います。
それはさておき、なぜアニメがこれほどもてはやされるのかというのは、外人の誰かが日本のアニメをジャパニメーションとブランド化してからです。我々はそれを余り理解していません。ですからブランドを生み出すことが重要だということが一つと、やはりITによってアニメのコンテンツを軸に、いいか悪いかはともかく、日本のIT産業を押し進めようとしている人がいっぱいいることも事実です。