高城 当然ながら法則は重要だと思います。幾つかの法則があって、その上で何をつくっていくかということがやはり重要だと思います。大切なのは、絶対に人々に反対される要素を入れた方がいい。これはやめろよというようなことを入れた方がいい。ここができるかどうかですね。僕はあるBS放送局のずっとブランディングとマーケティングをしているのですが、すごい貧乏な家を扱ったマンガがあって、そこに衛生放送が来るとどんなに楽しいかというストーリーを書いたのです。こんなものは通らないだろうなと思ったのですが、そういうことをやらなければだめだと言ってくれた人がたまたまそこにいて、それでそれが大変評価を得て、NHKとは全く違うものになったのです。多分誰もが反対する、そういう要素がなければ絶対に今ヒットはしないです。
日下 では、あのオリンピックの柔道で篠原選手の時の審判などを主人公にすればいいですね。
高城 そうかもしれないですね。誰もがやはり反対して、それだけはやめてくださいというようなものを強引にやり遂げないと駄目ですね。個人の才能によるところが大きいですよ。
牧野 それができるプロデューサーをいうこれからつくるにはどうしたらいいですか?。
高城 だからよっしゃーと言って、お金を投入するしかないのではないですか。小室哲哉より前の音楽プロデューサーはほとんど誰も知らないわけで、たまたま新興のエイベックスというところが博打に出たわけです。こいつに懸けようと。大金を突っ込んで突っ込んでばくちに出て当たったわけではないですか。そういうことしかないのではないですか。
野崎 東京財団は火をつけたい、ムーブメントを起こしたいと思っているのですが、それは我々ファイナンシャーではないので、精神的に、精神論でやってはいきます。