野崎 だから結局何ですかね。日本人はだんなに向いてないということですか。
高城 だんなはいると思うのですが、むしろビジョナリストの方がいないのではないですか。
野崎 例えば高名な方々がこの人はすごいぞとかと言ってくれると、だんなもその気になって金が出ていくということですか。
高城 だから今リサーチャーとかはいっぱいいるのです。マンガについて買っている人もいっぱいいると思うのですが、アニメのプロデューサーのような人は本当に少ないのではないですか。
牧野 宮崎駿さんはどのような位置付けをなさいますか。
高城 あの人は、日本国のマンガとはかくあるべきだというような、割と王道でしょう。それによっしゃーの豪快なおじさんがのっかている、そういう感じですよね。
牧野 あと30分になりまた。一番お聞きしたかったところに入っていきたいと思います。私も今62歳ですが、20代はアニメーターでありました。そのとき東映アニメーションは東映動画と言いまして、長編マンガを作り始められて、アトムとかが出てきたと時期です。そのころアニメーターは非常に悲惨な状況下で仕事をしておりました。映像だけ見ると、前回の大村皓一先生のところにいらっしゃる若者の生活ぶり、カップラーメンに寝袋というような生活形態。昔と変わっていないように見えました。それでも楽しんで、つまり生き生きして若者はアニメーションとかCGに取り組むわけですが、私の20代のときとほとんど変わらない状況が今のCG製作の現場でもあるやに見えるのです。それに対して、これはいいんだ、楽しんでつくっているのだからいいではないかという見方がある一方で、これをもう少しいい状況にしてあげないと、いい状況というのはカップラーメンがとんかつになることなのかどうか、それはわかりません。