牧野 という考え方をなさるわけですね。
高城 ゲームだって流行でしょう。別にどうしても生活に必要ではないでしょう。ゲームがなければ困るという人はいませんよね。
牧野 しかし、例えばもう人がいなくなって介護が大変で、お嫁さんはおじいちゃんの介護をするより遊びに行きたいというときに、ロボットに任せておきたいという人がたくさんおられたら流行だけではなくて、一つのニーズになってくる…。
高城 それは3つ目の課題ですよね。技術力もコストもクリア。だけどおばあちゃんをロボットに預けるということを生理的に受け付けるか。倫理的に受け付けるか。そういう行動が社会的に受け入れられるか。これをクリアできるかどうかというところがポイントですね。
牧野 ロボットがほとんど人間と変わらなくなった場合の話ですが…。
高城 多分そういう時代はまだまだ来ないと思います。
牧野 ―というところまで話が進んでいますが、いかがでしょうか。
野崎 さっきの目利きのところにまた戻りたいのですが、目利きイコールプロデューサー能力ですね。かつ外国を追いかけていると元も子もなくなるわけですから、日本の中できちっとしたヒットを生む商品でなければいけない。その目利きができるプロデューサーが数多くいなければいけないということですよね。かつベクトルはどんどん変わっていて、メディアはどんどん変わっていくから、最前線のメディアについていけるプロデューサーをどんどんつくらなければいけないのですね。それは既存の映画会社だとか、既存のところに余りいないのですよ。今日のテーマは、いかにして高い価値を守って世界市場で流通していくかということなので、結局日本国で最先端のベクトルを追いかけて、ITの意味を言葉ではなくて、きちんと意味のわかった人たちが育っていけばいい。