日本財団 図書館


クローンのヒトはよくないとか、宗教感も含めていろいろあると思います。それを生理的に飛び越えるコツ、これをどうやってクリアするか。これはエンターテインメントです。かわいいとかというだけでOKになってしまうわけです。エンターテインメントというのは、先ほどの土井さんの言葉にもあったけれども、基本的には役に立たない、役に立たないがたまらないとか、離せない、いないと不安とか、かわいいとかというのでクローン羊がOKになってしまうのです。だから、エンターテインメントがこれを越えていく可能性があるのです。

先ほどの質問にアイボというロボットがなぜ日本で、そんなものはかわいいはずないだろう、というのは生理的な問題です。高いというのもあるでしょうが、アメリカ人が嫌だというのは生理的な問題です。日本人はそういうものをかわいいということでクリアしてしまっている。これは国によって全部違うと思うのですが、この3つのハードルが新しいことをやる上で常にどんなことにでもあると思います。

 

牧野 その「生理」の部分に日本人的な感性があって、しかし全世界で結構売れましたよね。

 

高城 はい。でも基本は日本です。大ヒットとはいえないレベルですね。

 

牧野 これからホンダの二足歩行ロボットというのが出てきますね。こういうものが介護とか家事手伝いで、―日本人だけかもわかりませんが―役に立たせるということになったときに、そこではつまりポストゲーム産業の決め手になりませんか?

 

高城 流行であればです。これは流行かどうかが問題なのです。ブームが去れば、誰もロボットなど買わなくなりますよ。

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION