つまらないとお金を払ってもらえない。ということは、これからのメディアは頭がつまらないともうお金を払ってくれないのです。だから頭でいきなりどう客をつかむかが音楽においても映画においても重要で、それはビデオオンディマンドだとか、先ほど言ったようにCDとか、そのメディアによってIT、コンテンツバイITによって変わったというのが一つです。
2つ目は感情的な理由です。やはりコマーシャルとかが非常に細切れでできています。だからこことここと、正確に言うとこの辺ですが、この盛り上がる辺りさえ知っていればOKという人たちが圧倒的に増えました。なぜか。情報量が多いからです。あれもしなければいけない、これもしなければいけない。例えばOLだと毎日会社に勤めて、新しいレストランができたら行かなくてはいけないし、ディズニーランドの前に何かできたら行かなければいけないし、連ドラは見なくてはいけないし、カラオケは歌わなければいけないし、毎日忙しくて大変です。その中で全部見ていられません。
だからいろいろな情報のサマリー、これを僕はよく「サマる」と言っていますが、このサマることが重要です。このサマったものの最高のヒット商品、これがiモードです。日本語でサマると僕はよく言っていますが、すなわち例えば誰か友達を待っていて、1分の空いた時間でどれくらいの情報がとれるか。ぱっとやってすぐ情報がとれる。iモードがサマるの典型的なものです。iモードで例えば川端康成を全部読んでいる人などいません。サビだけとか、ちょっとした何かのポイントだけをとっているのです。こういう新しい日本人の中に芽生えてきた、情報編集力という難しい言葉を言っている人もいますが、情報をいかに編集するか、摂取するか、選ぶかというものが今このITによって非常に人々に根づき、感情によってコンテンツそのものの作り方も変わってきた。ということは、このようにつくることがよりヒットしやすいと言えます。
牧野 ありがとうございます。ご意見でもご質問でも構いませんので、どうぞおっしゃってください。