日本財団 図書館


ところが、最近の曲はサビから始まるのです。「CAN YOU CELEBRATE?」などもタリラリラーンとか、サビから始まるのです。なぜこういうことが起きたか。いきなりイントロでサビ、これを「サビ頭」と業界用語では言うのですが、そしてまたサビ、こういう曲の作り方になっていて、映画も曲もこうなっています。

なぜこうなったかということですが、2つあります。ITがもたらしたコンテンツの変貌。1つ目はメディア、2つ目は人間の感情に影響を及ぼしています。まずメディアです。わかりやすく言えば、例えばCDというものがありますね。多分今レコードではなくて、皆さんもCDを聞いていらっしゃると思いますが、CDを聞く場合に、ちょっと聞いてつまらないと飛ばすのです。だから頭を聞いてつまらないと人々は飛ばしてしまいます。昔レコードはこうやってぱちっとやるのが面倒くさいからかけたり、よくうちの親父は溝を見て2曲目は静かだなとか、レコードの盤を見て言っていましたが、そんなものは光るものを見てもわからないですから、今はちょっと聞いてつまらないとばんばん飛ばしていくわけです。だからCDというメディアによって頭だけで、いい悪いは別ですよ、非常に判断しやすくなったというのが1つです。それと先ほど小学生の甥っ子の話でも言ったのですが、コマーシャルというのは15秒で、サビしか聞かせないのです。だからサビがすべてなのです。サビ頭というか、大事なのはサビだけ。サビさえ聞いていればOKという子供たちが多くいます。これはいい悪い別ですよ。昔はレコードだったのでこういうものも聞いたりしました。

映画もそうで、なぜハリウッドはこういうものにしたかというと、映画館に入ってしまったら出られないからどっちでもいいではないかと思いますね。ところが、90年代に入ってハリウッドの人たちは権利をいっぱい売るということを覚えました。映画だけではなくてビデオ画権やテレビ画権といろいろやったわけです。その中で今後注目されるものとして、ビデオオンディマンドだとか、インターネットを使って映画を売るということに非常に今も注目しています。そのときによく地方のビジネスホテルなどでエロ映画とかお金を入れて見るものは、初め5分ただ見できるのです。

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION