牧野 今はですか。あっという間に変わりますか。
高城 変わりますね。
牧野 ぜひご質問があったら途中でもお手を挙げていただきたいのですが…。
黒須 日本アニメーションの黒須です。ちょっと先ほどに戻っていいでしょうか。ピカチュウのアメリカでのヒットの要因というのは、日本人の子供が火を付けているというか、そこを言っていますよね。最近よくアメリカのアニメの業界の人たちが内輪で皆さん会話の中に、これは一過性なものか、要するに今後もこういう状況が続くのかという議論は非常に多いのですが、誰も答えられないというわけです。その点まで踏み込んでお聞きしたいと思います。
高城 わかりました。僕は一過性になる可能性もあると思いますし、一過性にならない可能性もあるとも思います。それはむしろ僕ら側の問題だと思うのです。アメリカで売れる前に、日本で売れなければ多分アメリカでも売れません。これは確実に言えることだと思うのですが、アメリカ人は日本ですごい当たっているという話をベースに俺もやりたいと必ず言います。日本で当たっていないものは、多分アメリカ人も余り魅力がないと思います。いろいろな理由がそれにはあると思いますが、ですからそれはむしろこちら側の問題で、ただこれは直感的で申し訳ないのですが、僕はピカチュウ以上に大ヒットするアニメの可能性というのは今後物すごくあると思います。
それはさっき言ったように、ITとかというものは人と人が近くなることでもあります。今まで親友がすぐ隣に住んでいたのだけれども、北海道に転勤になってしまった。しばらく会えないねというのが、携帯電話やメールで毎日のようにその親友と話せます。ということは、みんなが考えていることが非常近い。ここ2、3年で携帯電話やメールが普及したお陰で、大ヒットというものが次々出るようになりました。