それとは別に新しいビジョングループ、日本のアニメーションや、ジャパニメーションや日本のマンガというものが、今後どうあるべきかと考えるビジョングループが別にないと、新しいものは出てこないと思います。今は珍しいから日本のアニメは受けているわけで、香港のアニメはもうすごくて、日本のアニメみたいですよ。インド映画が日本に来たでしょう。珍しいからみんな見るわけで、インドというのは何千本も年につくられているのです。日本のアニメは珍しいから世界で今受けられているわけで、なぜ珍しいかというと、これは僕だけではなくて、いろいろな人が言っていると思うのだけれども、結局コンテンツとかいろいろ言っていますが、僕らは情報を摂取しているわけです。まず初めにおもしろいと感じる前に、情報を摂取しているわけです。こうやって見るのでもいいし、アニメでもそうですよね、ばっーとマンガを読むのでもいいです。情報を摂取しているのです。情報の摂取の仕方が日本人とアメリカ人、この場合アメリカ人で言いますが、欧米人でもいいのですが、圧倒的に違います。ではみんなが一番ドキドキしたりとか、毎日不安になって摂取する情報は一体何か。
代表的なものを幾つか考えると、例えば野球もいいですが、今日は株価にしましょう。株価はアメリカでは、例えばナスダックだとナスダックヒーローとか幾ら幾らと出て、アップルとかAPPLが幾ら幾らと出て、その次にIBMだったらIBM幾ら幾らと出て、こういうものが電光掲示板になってテレビの下のところにがぁーと流れていきます。これはアメリカの情報摂取の仕事です。すなわちX軸+タイム、これがアメリカの情報摂取のポイントです。ところが日本は、これはみんなが言っていると思いますが、漢字とかそういう記号性ではないものはXとYで判断します。木という字があったら、XとYで木だと。すなわちアイコンです。グラフィックアイコンになっているわけです。アメリカではこれは記号です。これはセミオテキスト的に解釈すると、物すごい解釈の仕方がいっぱいあるので、ちょっと面倒くさいからそれはやめます。
アメリカのX+タイムは、ありとあらゆる情報摂取の速度になっています。ですから映画を撮るときに必ずカメラは回り込むし、ハリウッド映画を見るとほとんどですが、大体半分以上のカットがそこからタイム的に回り込んだりするわけです。