日本財団 図書館


ですからアニメ業界のプロデューサーというのは、アニメをプロデュースするのではなくて、音楽やファッションやさまざまな海外の新しいものを混ぜながらいかにプロデュースしていくか。目利きを育てるということが非常に重要で、その混ぜ具合が恐らく日本的なブランドに結果落ちていくのではないか、というように思う次第でございます。

 

野崎 プロデューサーはどう見つけますか。どう育てますか。

 

高城 これは絶対わからないと思うのです。今世の中でなぜそんなものがおもしろいのか。うまく言えないのですが、例えばグレイというバンドが驚異的に売れているのです。今まで何千万枚と売れていて、前人未到の記録を打ち立てていますが、グレイの音楽がいいと思っている人はこの中にどれくらいいるでしょうか。疑問です。でもグレイというバンドは確かにいいバンドであって、プロデューサーもちゃんといて、佐久間さんという人がやっているのですが、彼にわからないながらも温かく見守ってインベストメントしている人がいるわけです。ここがポイントです。

イギリスのブランドでもそうでしたが、ファイナンシンググループとビジョングループを分けることなのです。ファイナンシンググループはとにかくお金を集めて、マネーです、年利5%で回しますとかという口約束でも何でもいいのですが、そういうファイナンシンググループとビジョングループを完全に分けることが重要です。ビジョングループは、とにかく一か八かいろいろなことをやってみる。大ヒットするかもしれないし、外れるかもしれない。今までは確実にラインがこれだけあるのでこうやって回していかなければいけないので、これくらいの投資でこれくらい稼がなければいけないというのがプロデューサーの仕事だといろいろおっしゃるのですが、そうではなくて、当然そういう仕事も重要です。

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION