これが97年の終わりくらいの話です。それから本格的にこれはアメリカでもいけるのではないか。日本人の男の子があんなに騒いでいるし、子供のマーケットというのは感性的にも非常に近いものがあるのでいけるのではないかということで、ワーナー・ブラザーズが大金を突っ込んでテレビでやったり、その後劇場で2千館以上同時に公開したのですが、結果ヒットした要因はマーケティング、コストの勝利ですが、きっかけをつくったのはアメリカにいる日本の子供たちです。
牧野 なるほど。初めてお聞きした話ですが、この流れの中でご質問があったらどうぞ手を挙げてお話しください。
日下 そのもっと10年くらい前から、向こうへ行った銀行員とか商社の人の話ですが、日本人の家にはアメリカの子供が遊びに来てしょうがない。おまえの家に遊びに行きたいと。日本人は子供に金を使うものですから、ファミコンゲームのようにアメリカでは親に買ってもらえないようなものが日本人の家には山積みになっている。これが魅力で遊びに来てくれる。ということがずっと10年ぐらい前からあったと聞きました。
高城 そうでしょうね。日本の子供の部屋は本当に高価ですからね。ファミコンがあって、プレステがあって、動くロボットがいっぱいあって、本当にすごいです。
牧野 私のポイントになる質問なのですが、例えばピカチュウというのは先ほど申し上げたように妖精キャラクターです。こうしたものに対する人々の思い入れですね。他のマンガキャラクターも同様ですが、目が大きくて2頭身か2頭身半。活発に動く、おもしろい声を出すというキャラクターたち。