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日下 そういう対抗措置を考えないところが、日本人が気高い文化的な人間だということですよね。それをもっと宣伝しなければいけない。

 

牧野 ではもう一つ、今、人間世界の―有色人種というお話でしたが、ピカチュウがアメリカでヒットしました。ポケットモンスターという一種の妖精ですね。世界中に例えばムーミンのような妖精もいますし、アニメ化されているものもあるわけですが、なぜ日本のピカチュウが特に大きなヒットになったと思われますか。これは営業戦略の成功例だったのでしょうか。それともピカチュウというキャラクターに、それからジャパニメーションに何らかの優位性があったのか。どうお考えでしょうか。

 

高城 これは確実に言えることがあるのです。アメリカでピカチュウがなぜヒットしたか。実は日本人の子供が火付け役になっているのです。これはワーナー・ブラザーズのマーケティングとずっとしゃべっていて非常におもしろかったのですが、アメリカにはさっき言ったようにハリウッドという娯楽の都があって、そこがさまざまな映画の発信地です。その娯楽の都ロサンゼルスの中にトーランスという割と日本人が多く住んでいる町があるのです。その町に日本のマンガ屋や日本のゲーム屋が幾つかできました。もともとそれは日本人の駐在員の子供や、日本人のためのものだったのですが、それがここ1、2年幾つかできてきて、日本人の子供たちが日本でヒットしているポケモンというものに触り始めました。その中で幾つかの公立小学校に行っている子供たちがそのカードを持っていって、実はケーブルテレビで西側の、南側のロサンゼルスの地域でパイロットのポケットモンスターを流したところ、日本の子供たちに対して流す予定だったものが、アメリカ人の子供たちに大分評判がいいというレポートが上がってきました。

 

 

 

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