高城 まずコンテンツという目で冷静に見た場合に、世界のコンテンツ市場のすべては基本的にはハリウッドというものが軸になっています。残念ながら、もしも日本のアニメが世界に出ていくとしたら、ハリウッドの力をかりざるを得ないというのが現状でございます。ですからコンテンツという上でハリウッドとは何か。これを冷静に分析しますと、ハリウッドでも最近アジアの力が随分と流入しています。監督としてジョン・ウーはともかく、俳優、すなわちキャラクターとしていろいろなアジアの俳優がいっぱい出ているのですが、一人として主役になれません。例えばジャッキー・チェンはハリウッドの映画に出ていますが、必ず横に誰かをつけられます。すなわちアメリカ人というものは、もうちょっと言うと、アメリカ人が見たい映画は基本的に白人主導でなければいけないということです。これは実写の場合です。必ず白人の女の人だったりとか、白人の誰かとセットにされたりするのがほとんどです。ですからアメリカでジャッキー・チェンはピンでキャラクターとしては認めてもらえません。必ず白人がいます。
アニメがなぜ優位性があるかというと、東洋人に見えないからです。頭が金色だったり、目が大きくてどこの国の人だかわからないからなのです。実際の日本人がどんなに頑張っても、ハリウッドでピンで俳優になれることは恐らく10年くらいはないと思うのですが、アニメではあります。どこの国の人だか見えないから。これは優位性かどうかはわかりませんが、そういうことは言えます。
牧野 日下さん、お聞きになっていかがですか。理路整然としていて説得力もあり、その上刺激的なお話でしたが―。感想でも質問でも構いません。
日下 今のハリウッドがそういうふうに白人中心につくるというのは、白人が買うからなのでしょう?
高城 そうですね。お金を出すのは白人。