この傾向はどんどん低年齢化しています。ここ3年ぐらいでこの信じているメディアと、認知メディアのテレビの違いが圧倒的に広がっているのですが、どんどん低年齢化し、どんどんこの差が開いています。
僕は小学生の甥っ子がいるのですけれども、1年ぐらい前にその甥っ子とテレビのバラエティー番組を見ていました。そうすると、司会者のテーブルの上にコカ・コーラが置いてあります。そのコカ・コーラを見てうちの甥っ子は「なんだ、タイアップじゃないか」と言いました。小学校4年生がですよ。僕は不思議に思って聞きました。「なぜおまえはタイアップという言葉を知っている?」と言うと、コンビニで買うCDシングルに、グレイのCDシングルなどに何とかタイアップというシールが貼ってあるから、ということで、広告の仕組みを小学生が認知しています。テレビというのはそういう仕組みなのだなと客観的に見ています。その半面、友達の話や非常に近いところからの話は子供たちも強く信じています。これがどんどん低年齢化すると、ここがポイントですね、今アニメはキャラクター商品を売ることで大変多くの収益を上げていますが、テレビを信じなくなると、キャラクターに対する思い入れというのがどんどん遠くなるわけです。テレビは見る。ああおもしろいと終わるが、どうしてもそこに愛が生まれない。どうしてもそこを好きになれない。今まで以上に深く入れないので、どうしてもキャラクターへの思い込みが弱くなり、キャラクター周辺、多くの企業はライセンスという仕事をしていますが、キャラクター商品そのものに影響があるというのが最近僕らの一つの研究の結果です。
その一方、友達からおもしろいと言われているようなもの、例えばカードゲームであったり、コミュニケーションするゲームだったり、最近でしたらポケモンを初め随分ありますが、コミューケーションするような何か友達同士でできる、すなわちAからBへの一方的なものではなくて、友達同士の関係、双方向の関係にあるようなキャラクターというのは世界的な傾向でヒットしています。何かを交換したりとか、お互いに何か思い入れできるようなものが実際にヒットします。ですから今ですと原作があって、こういう一方通行のメディア、つまり雑誌やテレビのようなものがあって、さらに双方向のメディアを成立させながらキャラクタービジネスをどう育てるかというのが、恐らく世界中の大きな課題です。