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でも、アニメーションといっても主として欧米と日本という対比の中でしかとらえられないので、ほかの、アフリカのアニメーションとか、ブラジルとかありませんからね。そこへ行けばあるんでしょうけれども、産業的なレベルではないと思いますので、基本的には、アメリカのアニメーションと日本のとか、そういう対比ですが。やはり今のところ特異だなと思うのは、日本とロシアとアメリカですね。

アメリカは、ディズニーが一気に行きましたので。基本的にあそこは二次元の世界ですね。絵を二次元でかいて、二次元のものを動かすということで発達してきた世界だなと。ですから、いまだにキャラクターアニメーションも全部二次元ですが。

日本は、はなから三次元ですね。ですから、先ほど申し上げましたが、1981年にJCGLという日本最初のCGプロダクションが生まれましたが、カネコさんが一番最初に導入したのは、実はCGじゃなくて、アニメーションの中割りシステムなんです。NHKで「子鹿物語」というのを引き受けて、キーフレームをアニメーターがかきますね、その間をコンピューターが中割りするというシステム。これは、ディズニー式の二次元アニメーションですと非常にやりやすい。ですからきっちりルーチン的にやれるわけですが、それを日本へ持ってきて大失敗をしました。日本では、全くそのアニメーションは受けなかったですね。

日本のアニメーターが描くアニメーションは、はなから三次元なんで、コンピューターで中割りできないんですよ。キーフレームかいて、人間は中割りできるけれども、コンピューターでやれた人はいません。いまだに私も、それはできないですね。その点が感覚的に全然違うのかなと思いますね。

なぜ違うかというのは、ディズニーは商業化するためにちゃんと二次元化を考えて、そのプロセスとしてルーチン化したと思います。例えば、犬がいて、びゅっと走るときに、ころっと回してぴんといけばいいや、とかですね。それはですから、絵をかくというよりも、商業的、産業的に考えてやってたと思います。

 

 

 

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