お話もきょう非常に興味深く聞いてたんですが、やはりネックは場所なんですね。日本というのは外国から見ればすごくおかしな国で、事務所を借りましょうと、法人で入ると10カ月、20カ月という保証金を取られるわけです。これは初期投資としてはものすごく大きい。例えば、10万円の部屋を借りましょうとすると20カ月、それだけでもう200万円。あとは、不動産屋さんに手数料を払ったりすると、それだけで300万円が消えちゃうわけですよね。
なぜこんなことになるかというと、専有屋がいたりとか、出ていきなさいと言われても出ていかなくても済んでしまうということが法的にも認められてしまうような背景があるわけですよ。ですから、大屋さんもやはりリスクを回避するために家賃を上げる、もしくは、非常に高い保証金を使うと。そうすると、結果として不動産の流通が悪くなる。そういう悪いところがあるんですね。
今の一部上場企業でも、金融資産の3割がそういう保証金で動かないわけですよ。日本国じゅうで見てみると、何10兆円というお金が恐らくそれで止まっているわけなんですね。
だから、僕なんかも一番初めに仕事を始めたときにお金がないわけですよ。そうすると、普通のマンション借りて始める。そうするとお風呂がある。実際のところお風呂は要らないわけですよ、はっきり言うと。普通の広い部屋があった方がいいわけですよね。しようがないんで、2LDKとか2DKというのを借りて、不便だけど使っている。それだけでも、ものすごく生産性が下がるんですよね。
そういうところで、皆さんのところはSOHOやろうとか、ベンチャーを支援しようとかということをおっしゃるんですが、なぜそういう法律を変えないのかと。つまり、ベンチャーで一番初めに出すお金が本当に、外国でいえば50万、60万円で始める仕事が、日本で数100万円かかるわけですよ。それがまず1つは大きいんじゃないかと思います。
もう1つは、契約ですよね。例えば、僕らもそうですが、若い人が一番初め会社をつくると。そのときに、仕事をもらいますよね。でも、これを踏み倒されることが結構多いわけです。