日本財団 図書館


そのために、それが演出に影響を及ぼしてCGが堕落したように、アニメーションも固定化しておもしろくなくなっていく。それが本当のポップカルチャー、文化として根づくためには、いつもチャレンジできる、新しいものを生み出すことが必要で、そのためには、アニメーターが演出権を取り戻すことが必要でございます。特に、コンピューターを使ったデジタルのアニメーターたちが演出権を取り戻すということが必要で、そのためには、新しいつくり方を模索しないといけないということでございます。

これはなかなか飯食うのが難しいんですが、さっき言ったように、月5万円か10万円ぐらいでも、最初がまんしてやれるんで。

今のところ私が思っているのは、この日本の、当面年金支えてくださる中堅のサラリーマンの方には申しわけないけれども、今の産業基盤で一生懸命頑張っていただくと。で、僕のように60越して、私の同級生で既に年金生活に入ったやつがいるわけですね。優雅にゴルフやってるわけです。これがね、昔ですと60だったら65か70で死ぬんですからよかったんですが、今だったら80になってもまだぴんぴんしているやつが、60になって年金もらいながらゴルフとは何事やと。ゴルフ代があったら、若い子たちを3人ぐらい集めてきて、自分のお家のどれか部屋に基盤を置いて、立派にSOHOやれるわけでございます。自分は口きいて、ちょっとお小遣いやって、営業してくれれば、こんなおもしろい仕事はありません。今のところ、おじんは金と場所出せ、それも月5万円ぐらいでいいよと。

で、若いやつは、特に今リストラがはやってまして、我が大学は就職率がこの6年間落ちっぱなしでございます。当初は、景気が悪いから就職率が落ちたと思ってたんですね。ところが、そうではありません。リストラの対象になるのは、不要不急じゃなくて、テンポラリーに発生する仕事しかやってない人たち、デザインとかですね。ルーチンワークじゃない仕事をやっている人たちは、給料を払いたくないから、外へ出ていただくと。そのかわり、その仕事が発生したときに、アウトソースと称して、仕事やってよと。こういう形で、リストラとアウトソースは車の両輪でございます。

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION