それがどんどん落ちてくるとどんどん溶けて、それがあのもやよと。そのままずっと行って、それが川になって流れていくのよ。と行きますと、これはもやに1つのストーリーが生まれますね。で、いろいろな色のもやがあります。それにも1個1個ストーリーがつくれる。
そして、何であんなところにお魚を入れるのということになりますと、野原に何か小さなお花がいた。お星さまがバーンと指した時には、余りに嬉しいんでわーっと咲いて喜んでるうちに、つい泳ぎだしてしまったと。たまさか上からおりてきたもやがいたんで、モヤの中を泳いでるうちに、それが川になって、泳ぎ去っていくよ。これも1つストーリーができるわけです。
そうしますと、あの中にあるもの全部にそういうちゃんとしたストーリーを考えてつくろうよということでございます。そういうアニメーションで、映像全体に命を吹き込みたいなということを、1つは演出上の主眼にしているわけでございます。
テクノロジー的にも、さっき申しました二次元と三次元のはざま。三次元CGでありますと、思いっきり形をつくるのに手間暇がかかると。ところがこれは、ここからカメラを動かさずに撮ってるだけだったら、写真でいいじゃないのと。通り過ぎるだけだったらここだけつくればいいよとか、そういう演出に合わせて映像をきっちりつくると。そのために、演出権を自分が持たないといけないなと。演出に合わせて映像をつくるのであれば、思いっきりつくり方を、インチキという言葉はおかしいですが、できると。
我々の目指すのは、思いっきり安く、思いっきり短い時間で、とんでもないいい映像をつくる。これがターゲットでございます。この3つをやりたい。
そのために、1つは設備、それから場所、これに金かけておられん。これに立派なオフィス借りて、看板1つでもお金かかりますんで、これにかける金があったらディスク買おうよと。じゅうたん敷いたら金かかる、畳でいいよとか。ですから、構わない。机ももったいない。机1つ買いますとね、机が高いのと同時に、机の下が死ぬんです。