今さっき申しました、二.五次元の映像がどの程度のものかというのを、これでもいいんですが。これは、一番向こうの背景の山が写真1枚です。手前側の、ちょっと映りが悪いですが、あれは写真1枚ですね。それから、もう少しすると手前から五重の塔とか出てきますが、もうちょっとカメラが引きますと、このダンサーも、女の人みたいな話で、おばあちゃんだったところです。
これがそうですね。五重の塔があって欄干がありますが、これは実は、五重の塔の写真1枚と、こういう欄干のついた写真1枚を適当に切り抜いてつくってありますが、ちゃんと三次元に見えるところがみそでございます。もとの映像はもっときれいですけどね。
こういうように、ちゃんと何か立体的に撮ったように見えますが、実は写真は、これ全体で、普通の写真機で撮った写真4枚だけ使って、あとはデジタル処理でつくった疑似三次元映像であります。
早送りしてください。これ、もうすぐ終わってしまうんですが、この後に多分映像が入っているんじゃなかろうかと思うんですが。
まあ、比較的抽象的なものも、こうやってある程度立体化して、奥行きをつけてつくることもできますので。
はっきり申し上げて、二次元の世界というと写真か絵画ということになりますが、どちらも、クオリティーというか品質というか、品格というか、思いっきりレベル高いわけですね。そのかわり、テクノロジーとしては普通あるいはローテク。ところが、これが三次元になりますと、テクノロジーは思いっきりハイテクでございますが、映像の品格、品質といいますと、低いと言わざるを得ない。それから、二次元から三次元へ移行すると、映像の品格、品質が落ちて、テクノロジーは上がるという。
そうすると、二次元と三次元のはざまにさまざまなものがあるなと。これにデジタルを活用したらどうかなと。二次元と三次元のはざまをうまく使うためには、写真とか絵画をいかにうまく時間、空間に配置するかということでございます。したがいまして、写真の素材をコンピューター入力して、適当に切り貼りして、それを素材にして時空間にコラージュする、そして、それを再映像化するという手法を取りますと、なかなかおもしろいものがつくれるなというのを今やっているわけでございます。