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今のが絵コンテですが、監督は東京で実際に実写を撮りながらやっているわけですから、その監督が制作状況を見たいと言うんです。学生の下宿先での制作。こんなの監督に見せたら注文を取り下げられるのは歴然でございます。こんなところで劇場映画ができるはずがないやないか、というわけで、これを見せたら断られると思いましたので、断固反対しました。やってる最中見に来られたらそんなものできない、とか言いまして、ぎりぎりまで引き延ばしました。見に来てこれはあかんから断りたいと思っても、もう日程的に断れないというところまで引き延ばしました。それは12月でしたが、12月の25日ぐらいまで引き延ばして、初めて監督が来たときにびっくり仰天いたしまして、本当にできるの?という感じでした。

これは劇場映画でございます。ウルトラマンは正義の味方ですが、ウルトラマンゼアス2というのは、初めて悪役のウルトラマンシャドーというのが出るんですね。ウルトラマン同士の戦いがございます。ウルトラマンは光線があるわけですね。ところが、善人だけのウルトラマンですと光線は何でもよかったんですが、善悪光線で戦うということになりますと、善の代表、正義の味方のウルトラマンの光線と、悪の代表のシャドーの光線は違わないといけなけいと。手がきでは大変だというので、三次元光線をつくってくれと。真ん中にレーザー光線みたいな芯があって、その周りをスパイラルに赤い光線が取り巻いてギューンとねじれていくような光線とか、いろいろ勝手なことを言われまして、それをパソコンでつくったわけでございます。

で、約6000枚実写の静止画を写しまして、それをコンピューターに入れて、それにコンピューターで計算したものを合成するわけでございます。これがちょうど12月のころでございます。

でも、こんなちゃちな仕掛けで劇場映画ができてしまうという点がすごい。

これが光線ですね。これ、まだできたてなんで光に見えませんが、何かパイプみたいに見えてますが。

「ウルトラマンゼアス2」というのは、レンタルビデオ屋さんに行きますとちゃんとありますので、御興味ありましたら見ていただきたいと思いますが、そこに出てくる光線群は、全部こういう形でつくったものでございます。封切りが5月だったと思いますが、余りヒットしなかったですね。

 

 

 

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