その時代を過ぎまして、次、パソコンの時代が来たわけでございます。そのパソコンの時代は、ちょうど7〜8年前から5年ぐらい前の3年間で、技術的に異常な進展を遂げました。値段の安くなり方、性能の上がり方、想像を絶するものがございました。
ちょうど今から6年ぐらい前ですと、ちょっと技術的な用語になりますが、コンピューターにはCPUという頭脳がございますが、そのCPUというスピードをはかるのに、MIPSという値がございます。
ミップスというのはMIPSと書きますが、メガ・インストラクション・パー・セカンド。メガ・インストラクションというのは100万命令ですね。コンピューターは命令によって動くわけで、人間が命令を与えると、1つの命令を1回実行して、次の命令を実行する。命令をたくさん書いておきますと、順番にびゅーっとやると。1秒間に100万回命令を実行すると1MIPS、こういうことになります。これが大体CPUのスピードをはかる目安になっているわけです。
非常に単純なことを言いますと、命令にもいろいろな種類がございますから、思いきり単純には、足し算と思ってください。1秒間に足し算を100万回できたら1MIPS。
1982年当時、コンピューターグラフィックスのメインコンピューターが、例えばJCGLという会社が導入したコンピューターは、DECのVACSイレブン780という、当時スーパーミニコンピューターと言われたコンピューターがございますが、これは82年当時で定価8000万円でございました。このコンピューターのMIPS値がちょうど1MIPSでございました。で、記憶装置、メインメモリが1MB。1MBというと、ちょうどフロッピー1枚分ぐらいですね。それが基本のメインメモリ。1MIPS、1MB、これが8000万円のコンピューターでございます。これを真ん中に置いて、30人ぐらいの若い人たちが、インテリジェントターミナルを介して30人で使っていたわけですね。想像を絶する低性能のコンピューターでございます。
今、10万円でコンピューターを買ってまいりますと、大体MIPS値にして約100MIPS、メモリにして64MB。ですから、64×100としますと64000倍ですね。