日本財団 図書館


そうすると、機械を見せている間、それはコンピューターでもでかいですから、それこそ最先端の機械を見せられて、子供は本当に目を丸くして、感激しながら見てくれるわけであります。

それで、その後に、そのコンピューターでつくった絵と、CG映像と称するものを子供に見せました。そのときの反応が、何これ?という。5人が一斉に、何これ?って指さして、けちょんけちょんに言われました。

どうもエンジニアばっかりでやってましたから、とんでもない映像でありました。事細かに説明すると、屈折しているとか、反射が映り込んでるとかいろいろあるんですが、絵としては、小学生が指さして、何これ?と言われるレベルのものだったわけです。

彼らにとってみたら、世界最先端のすごいコンピューターを見せられた後ですから、さぞかしすごい映像が見れると思って期待して見たら、とんでもない絵を見せられて、びっくりしてつい正直な感想が、何これ?という言葉になったようです。

そのときに深く反省しまして、これは工学部でコンピューターつくってエンジニアのレベルでやってても問題外やというので、アーティストに開放しようということで、大阪大学の私のところの研究室を開放いたしました。

だれでもいらっしゃいと言いましたら、それからたくさん来ましたですね。突如電話がかかってきまして、今から行っていいですかということで、何や、どこにいるんやと聞いたら、新大阪にいますとか言われて、いらっしゃいと言うと、寝袋担いで来て、そのまま泊り込んで1年間帰らなかったとかですね。この子は今、大阪芸大の講師しております。

それから、下の事務から電話かかってきて、変な人が来てるから早く来てよとか言われておりていきましたら、当時は、ニューヨークの5番街とかで、黒人の方がカセットのスピーカーついたのを首からぶら下げて、がんがんロックを流しながら踊って歩くというのがはやっていまして、その子ががんがん鳴らしながら、大阪大学工学部の事務室ですごいロックをかけて、大村先生どこにいるんやと言うので、行ったら、事務の人はフリーズしていまして、その子だけは気持ちよく踊ってました。

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION