アニメもそういうところがあるんじゃないかという気がするんです。日本で公開されてないけれども、いいアニメというのはよその国にもあるんです。オーストラリアでも、昔、唯一初めての長編アニメというのができて、それもよかったんですが、そういうのは絶対に日本にこない。だから、日本の小さい劇場もそういう作品を公開してほしいなと思いますよ。つまり、日本でも絶対作れないし、ディズニーでもつくれないという種類の長編アニメが存在するんですよ。お金の問題ではない。何といいますか、感覚ですよ、テイストの違い。
今度の広島のアニメ大会は、そういうものがあっただけでも意義があったと思います。そういうものがあるんだということを知らせるだけでもね。それは本当に日本で成功するかどうかというのは別問題ですよ。だけど、まったく違うアニメが世界には存在するんだということですよ。それをあまりにも知らなすぎるというか、日本では日本のマンガがとにかく量的にものすごいし、質もすばらしいんだけれども、しかし海外のマンガは受け入れられない。アニメもそういうところがあるのではないかという気がしています。
いろんな海外との接触のなかで。だから、何が売れたとか、お客が何人入っているとか、数だけでものを判断してはいけないと思います。つい、数でみんな話題に、マスコミもしがちなんですけれども、そうでないものもあるということを、ちょっと言いたかった。長くなってすみませんでした。
牧野 決してテーマから外れているわけではございません。もっといろいろ会場からもお話を聞きたいんですけれども、40分たってしまっております。
最後に、日下さんにお話をいただきたいのです。つまり、今回の連続のフォーラムのなかで、読み取り能力、今、読み取りにもそれぞれのテイストがあるんだというお話を小野さんがなさったわけですが、フォーラムのキーワードとしてたびたび出てくるわけです。