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どういうふうな面で受け入れられているかと質問されましたけれども、それは、本当に非常にいい質問で、私はそれに答えたいんですが、それを話すとしたら1時間ぐらいかかってしまう。でも、僕はそのことに非常に関心があるんです。

誤解をされているのは、マスコミはたんに日本のアニメが、マンガもそうですが、アメリカで人気があるとすぐ言いますよね。その場合、一体どういうレベルでそれが人気があると言っているのかということがまず問題です。つまり、僕に言わせれば、本当にある国のマンガが例えばアメリカで人気があるといえば、ディズニーの長編映画はほとんど全部日本で劇場公開されます。日本のアニメがアメリカの劇場公開された作品というのは、もうほんのわずかでしょう。例えば、やっとこの間、「もののけ姫」が公開にされたのは200館です。当初、あれは2千館ぐらいを思って、ディズニーはいくと思ったんだけれども、出来ばえをみて、これはアートフィルムだからマス展開は無理だというので200館に落としたんです。200館に落としてもものすごい共感は出てたんですよね。ニューヨークタイムズがアニメにおける黒澤っていうふうにいって宮崎さんを讃えてくれた。そういう評価もあります。

ただ、2千館のはずが200館というのは、興行的にはこれは大失敗なわけです。もちろん、受け入れられている。それはアートフィルムとしてすごい評価されている。ベストテンに挙げていた人もいるぐらいですから、それも僕は賛成です、それはいいんです。

そういうレベルの受け入れ方と、それから「ポケモン」みたいな、なぜあれが受けたかというのは、いろんな理由がありますが、単純にいえば、レーティングシステムに引っかかりません。つまり、アメリカと日本のこれまた文化的背景の違いで、これをすると長くなるんですが、ようするに、マンガとかアニメに対する、これは家族向けであるとか、これは何歳以下じゃなきゃいけないとかいうレーティングシステムがアメリカにあります。規制が非常にあります。そうすると、「もののけ姫」といえども腕を切ったり、吹っ飛んだりしますから、いくらいいアニメといってもそういうところで引っかかるわけです。

 

 

 

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