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しかしそれは日本の作品だから見るという感覚はまったくないと思います。たまたまそういうタイトルであり、中身であるから見たということだと思います。

もう一方では、日本の作品だからというととでのコミックからのアニメ化された作品というのは、かなり量的には出ていますし、そのなかで、ある意味では何でもかんでも量を供給したという事実があるわけです。1980年代ごろですか。フランス行ってテレビ見ていると、当時は1990年ぐらいの初期までガクラン着て登校なんていうシーンをフランスでそのままやっているわけですから、それでもそのまま受け入れてしまっているという事実もあり、特にこうじゃなくちゃいけないという傾向はなかったと思います。

強いていえば、最近の傾向からすれば、やはりヨーロッパの子供たちもアメリカの作品に非常にテンポも何も慣らされている。それから、音楽も非常に慣らされているという感じがしますので、その辺は少し日本の作品に違和感を感じるというケースも出てくるのではないかなということも言えると思います。ちょっとお答えには十分ではないかもしれませんけれども、日本の作品だから、という見方をするのは、先ほどの皆さんのお話があった、日本のアニメだから好きだという一定層はいるわけですし、そういう人たちが徐々に増えているのも事実です。ただ、その人たちの好みは私もよくわからないですけれども、それ以外の一般大衆の方たちからすれば、いわゆる日本のだからというよりは、作品の中身の特異さを好む人達なのではないでしょうか。

 

牧野 冒頭で、マンガの範疇に対して小野さんが、今日はコミックなのか、1コマも入れるのかと、それによって違ってくるんだというお話をされました。そのストーリーマンガ、実は、精華大学もストーリーマンガの人気が高くて、1コママンガの人気がなかなかないのです。では、1コママンガが日本でもう皆無かというと、読売の国際マンガ大賞とか、その他いくつかの国際マンガ大賞、そういうコンテストは1コママンガなんです。こちらは、本当に読み取り能力を必要とする。相当考えないと審査員もよくわからないんだというものさえあるわけです。

 

 

 

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