日本財団 図書館


加藤 加藤秀樹と申します。今の大宅さんのお話、私は似た印象をもっているわけですけれども、それについていくつか質問です。

一つは、アメリカなりヨーロッパなり、あるいはほかの国なりで、日本のマンガあるいはアニメが受けているとすれば、そこに何か特定の傾向があるのかどうなのかという点です。それを伺いたいなと思います。

それから、その場合、彼らは、何に関心をもっているのか。それは日本人の感情とか感覚といったようなことを含めた中身なのか。あるいは、表現の方法なのか、あるいはテクニック、技術なのかということです。

それと同時に、私は、例えばいわゆるコミック雑誌などを見ても、なかなか面白いストーリーなりその表現方法はあると思います。例えばアイウエオに点々を打ったりしてなかなかおもしろいなと思う反面、あれはしょせん言葉が非常に劣化していたわけです。日本について語って今非常に表現が、例えばよくテレビでグルメ番組などありますけれども、食感という言葉が乱用されているんですね。私はあんな言葉は最近までなかったと思いますが、例えば歯ごたえとか、のどごしだとか、舌触りといういい言葉があるにもかかわらず、食感というようなわけのわからない言葉で表している。それの裏返し、その言葉で表現する能力がない部分を、アに点々を打ったりしてカバーしているだけにすぎないのではないかと、こんなような気もしております。いかがでしょうか。

 

牧野 これに関して、黒須さん、お答えいただけますか。

 

黒須 先ほどの大宅さんのイマジネーションという点からお答えしますと、厳密に言えば、イマジネーションというのはたしかに間違えた表現かもしれません。年齢、私などは自分のところの作品をとおして、極力子供たちの反応を問おうとして、いろんな実験をたしかにやってきています。例えば、「ちびまるこちゃん」という作品を10年ぐらいやっているわけですけれども、これはもっともある意味では皆さんに言わせる日本的といわれる作品で、海外でこれがわかるのかということがありましたので、こういう作品を通じて子供たちがどういう反応を示すのかということを知りたいと思ったわけです。

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION