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セーラ服という概念が進出している。下駄箱もそうです。日本では学校が舞台のマンガには下駄箱があって、そこにラブレターが入っている。当然、向こうの学校は土足で入りますから下駄箱ありません。初めて見た、これ何だろうと、とくに日本人は学校で靴を履き替えるらしいと、そこにラブレターを入れたりとか、そういう小道具になっているというところに興味がわくわけです。源氏物語を見るよりは、はるかに日本の我々の生活に密着しているわけです。

 

牧野 ありがとうございます、大変興味深いお話を伺いました。

では大宅さんお願いできますか。

 

大宅 大宅映子です。

今の話に続くんです。私はマンガに対してプロの部分とアンチの部分がありまして、プロの部分は今のお話のところですが、私は大学を卒業したのは63年で、日本の企業を海外にPRをするという会社に就職しました。その当時、今おっしゃったように外務省とかが日本のことを広報すると、新幹線と富士山と桜です。ところが、今だに、私いまある委員をさせられているんですが、出てきたのがまた新幹線と富士山と桜なんですよ。もういいかげんにしてくれと。あのころから、そんなものやるよりは、「フジ三太郎」を出すなり「サザエさん」を出すなり、そのまま出したら日本人の生活がわかってもらえるじゃないと、ずっと言っています。

私たちは、「ブロンディ」を見て、大きな冷蔵庫、電気掃除機、それから夜中に冷蔵庫を開けたら、あんなに厚いサンドイッチがつくれるような食料品がそろっているというので、アメリカというのをすり込まれたわけです。そういう意味で、日本発の日本を知ってもらうためにマンガというものはものすごいインパクトがあるというふうに思いました。ただ、片一方で、私はどうもマンガは私は「いじわる婆さん」でとまっております。限りなく理想に近づいていい人生を送っていると私は思っていますけれども、先ほど小野さんが「鉄腕アトム」と「鉄人28号」の人気が入れ代わったと、「鉄人28号」のほうが説明が多くて頭を使わなくてすむと。

 

 

 

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