清谷 私は清谷と申しまして、「ル・オタク」というフランスのオタク文化、日本のオタク文化に関する本を書いたものです。本業は軍事アナリストをやっております。たまたま鵜野さんにもその本で協力していただいたんですけれども、先ほどおっしゃったフランスの文化侵略というリアクションについてですが、去年フランスの文化大臣が来まして、日本のアニメにしろそういった文化が入ってくるのは、ある程度の秩序だてて入ってくるんであればオーケーだというふうに変わってきています。
5、6年前だと、例えば日本のマンガを売っている本屋だけを重点的に憲兵が抑えてガサ入れするようなことがありました。日本のマンガだけを狙ってやっているなということがあったわけです。それが最近変わってきている。ずいぶん、フランスも学ぼうとしているというところがあります。
先ほど鵜野さんがおっしゃったように、これまでの欧州でいわゆる日本マニアというと死んだ文化が好きだったんです。禅とか能とか歌舞伎とか。日本人はもう必要としていない。普通の日本人は歌のコンサートに行ってるほうが多いわけです。
私も年に3、4回ほどヨーロッパに行っていますが、とくにロンドンに行くと、現地に日本レストランが入っているわけです。これは日本人向けでなくて現地人向けです。メニューがどういうものが入っているかというと、焼きそばであるとか、カツカレーであるとか、枝豆とか、そんなものがあって、アサヒビールからキリンビールもあるわけです。今の日本の生きた文化が入ってきているわけです。それの助け手になっているのが、例えば日本のアニメであり、ゲームであり、マンガであるわけです。そして、日本語の表示が入ったTシャツがはやっているわけです。先日ロンドンに行ったときに、日本語で「私はバカなアメリカ人です」と書いたベストを着ているやつがおりましたけれども、そういう感じのものがはやっているわけです。それはポップカルチャーが入ってきていることから、日本語は格好いい、で、日本の今の文化を競うと、そういうところへ入ってきています。
先日みつけたんですけれどもイギリスの同人誌を見たら主人公がセーラー服の女子高生なんです。