こちらの国際フォーラムでは「ポップカルチャー(マンガ/アニメーション)のダイナミズム」というテーマでやっていらっしゃいますけれども、マンガ・アニメに加えて音楽も付け加えるべきです。それはどうしてかといいますと、すでに、ヨーロッパでは、私が一番よく知っているのはフランスですが、フランスですでにJポップファンというのが大勢おります。例えば解散しましたけれども、ビジュアル系といわれるXジャパン。マリス・ミゼルですとか、ペニシリンですとか、そういったビジュアル系が多いんですが、現地のマンガファン、アニメファンを中心に人気があります。
海外の若い人が、日本のアニメを見たときに一体どういうことが起こるかといいますと、音楽が耳に勝手に入ってきます。そこで、日本のアニメの音楽を気に入った場合、一体これは誰がやったんだ、ああそうか、日本のロックグループか、じゃ、他に一体どんな音楽をやっているんだということで、一生懸命探すわけです。そういう形で実際、日本語のロックのCDが輸入されて現地で売れているという状況もあります。
日本のポップカルチャーが世界的に影響を与える事例として、マンガ・アニメに加えて音楽。音楽業界の関係の方にその辺の状況というのを是非知っていただきたいと思います。
それが、一つ、私の非常に強く望むところであります。ですから、かつてアメリカがハリウッドでしたことが、日本はマンガとアニメで可能だと思います。つまり・世界各地でマンガ・アニメを通じて日本に、国に対して憧れをもって、日本語を勉強して、日本語の歌をうたって、そういう若者というのは常におりますし、これからも増えていく下地は十分にあると思います。
牧野 ありがとうございます。フランス大使館文化担当の人の話を聞いたことがあります。霞が関の講演ですが、そのときは、日本のアニメのあまりにも強烈な進出にフランス文化省は、これは文化侵略だというような言葉で表現し強い警戒の念を示しましたそうです。