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こういう創作に関したものというのは、やっぱり話だけやっていると机上の空論になづてしまうので、とにかくつくること。それがたとえうまくいかなくても、失敗してもそこから学ぶところが多いと思うんですね。これがまず第一歩で。

それから展望としては、やはりマンガというのは非常にいいメディアで、時代をよく見れるし風刺もできるし、何かマンガだったら許されるという世界があるじゃないですか。それを最大限利用するべきですね。私たちも思うんですけれども、結構私も研究所の中にいるんですけれども、いわゆるこういう工学系、技術系の、しかも国の研究所って非常にかたいんですね。かたいんですけれども、アートだからって許される部分があるわけですね。何か免除されている部分というのは確かに大きいんですね。これは非常に恵まれている部分ではなかろうかと思うんですね。だから、そのお返しとしてもっともっと大暴れしてもいいんじゃないかなという気はあります。マンガがかしこまっちゃったら、これほどおもしろくないものはないわけで。そこからはみ出しているからこそおもしろいわけで。もっと毒のあるエッセンスとか、そういったものを出せるメディアじゃないかなと思います。だから、もっともっと元気になって、他のメディアを占領していくような力というのを出せれば、これはとてもいいことではないかなと思います。

だから一番結びつきやすいのは、そういう情報メディアですよね。そういったものと結びつく。私が知る限り、デジタルマンガだとかネットワーク上でのマンガ、あとそれからマイクロソフトが出して、今、どうなっているのか知りませんが、コミック・チャットというアメリカマンガを応用したチャットですよね。いろんな人がいろんなキャラになってしゃべるんですね。それがマンガの吹き出しのようになって、時間軸が刻々と出てくるんですけど。そういうメディアをマイクロソフトが出してヒットしたんです。日本ではあまり定着しなかったんですけれども。

だから、そういうふうにマンガというのはそういう情報技術と結びついて新しいジャンルを築く力が非常にあると思います。

 

 

 

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