それでは時間が押してきましたので、お2人に最後のまとめといいましょうか、今日これだけ話をしましてどんなふうにお感じになったかということと、全12回に対して注文でも結構なので、秋山さんと土佐さんの順序でお話しください。
秋山 随分長くなってしまったので簡単に僕の感想を申しあげます。つまり、今まであったマンガの概念を全部ひっくり返してみて、おもちゃ箱みたいなものをひっくり返してみて、それで従来あったマンガの概念を分析して、違う視点から物を見ると、価値観の逆転が当然ある。
その結果、成果物として何ができるかというところを導いていく。これが最終的には、マンガ大学ができる、マンガ学科ができたら、それが教科書になり得るようなものになっていくとベストだろうというふうに、僕は今日感じました。
牧野 では土佐さん、最後の締めになりますがよろしくお願いいたします。
土佐 マンガとの関係について?
牧野 いやいや、もう全般的に、今、秋山さんが言ったように−。ここではマンガ、アニメというものをポップカルチャーの代表にしておりますけれども、もう既にきょう土佐さんの作品を上映したように、既存ジャンルに入れられないようなものがあるわけです。そういったものを含めて、ジャンルにこだわらず、土佐さんの想定される成果物ですね。12回たったらこんなことになるかもしれないな、もしくはなってほしいなでも構いませんし。
土佐 なるほど。かなり現実的な展望で言うと、成果物としては、マンガが他のメディアと結びつくことが一番重要だと思うんです。それから何ができてくるかというものを、実際につくってみる。それが第一だと思います。