日本でもコミックマーケットがありますが、あれと似たようなものが韓国、台湾とかにもありまして変わらないような状態です。
そうして見て、できればこのフォーラムである程度民族的な線も含めた上でのナビゲーションをと思います。
牧野 実は、8月に香港でアジアマンガサミットというのがありまして、中国、韓国、台湾などのマンガ家たちが香港にそろいます。昨年は台湾でやりました。その前は韓国、その前は日本という形で、日本のストーリーマンガの中軸になっている方たちが集まり、各国のストーリーマンガ家が加わる。まさにマンガサミットです。ここでの展示も、今おっしゃったように共通点と相違点とが出てきております。これは我田引水になるかもしれませんけど、日本が先んじたものですから、日本のキャラクターが非常に強く定着しているなという印象を持っておりまして、なぜこんな大きな目がという研究の前に、既に現象として日本のマンガが受け入れられ認知されてきている。
一方で、やはり韓国ならではの物語構成とか、中国の伝統的な物語マンガ、日本で言うと絵巻物のような民族的絵巻物語は生きている。アニメーションでも、ああ、中国ならではだなという感じで墨絵のアニメーションがあったりするわけなんですね。
そういうことで、民族固有のものと、言ってみれば共通項で括れるものをバランスよく俎上にのせる。ピカチュウのデザインや性格付けは日本固有の感性から生まれたのかどうか?そうだとしたら何故アメリカで記録的ヒットをしたのか?単なる営業政策上、カードの配り方がうまかったからというような理由だけではなくて、もっと深部の心理学とか脳科学というものを視野に入れない限り解明されないだろうと思っております。そういう方々に参加していただいて、その上に、お申し入れのあった韓国の代表の方とか、中国の代表の作家を配するという形で構成していったら、魅力的なフォーラムになるかなと感じつつ、パネラーのお話を伺っておりました。