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秋山 例えば、今ここに成果物のイメージで東大、芸大にマンガ、アニメ学科設置を提言と書かれていますが、こんなばかばかしいアイデア僕は却下ですね。なぜ却下かというと、東大や芸大にマンガ学科ができようと、それがどうしたという感じです。ですから僕はそんなものじゃなくて、ちゃんと学問にしなければいけないと思います。大学の中にマンガとは何ぞやということを端的に研究して、そこに学科を設置し、マンガ大学があるとすれば、セクショナリズムになってしまうんですけど、さまざまなメディア・アートとのマンガのジョイント、それが医学とマンガがどのようにかかわり合うのか、科学とどういうふうにかかわり合うのかと。それからマンガが仮想現実のところに役に立つわけですから、特に科学ともつき合いますよね。それからアートともつき合えると。僕はかなり領域は広いだろうと思うんですね。つまり、あらゆるジャンルの中でマンガが役に立つことを一個一個拾い上げていってみて、それが将来に向けてどのようになるかと。

それから、今言った地球上において日本にできたマンガ大学が国際的にどう活躍できるか。日本に学びに来たい人はどういうふうに受入体制ができるかと。それから逆にこっちからそういう研究を向こうに発信し、お互いにコミュニケーションができていくか。それから美術館やそういう機関と連結ができるかどうかというふうなことを考えたほうがよいのではないでしょうか。東大や芸大に学科をつくるくらいだったら新しく立ち上げたほうが魅力的な大学になるだろうし、人も集まってくるだろうと思います。その後、各大学にそういう学科みたいなのが必然的に、うちも欲しい、うちも欲しいということになっていくようなイメージの大学のほうがいいんじゃないでしょうか。

 

聴衆 韓国では、もう既に10校ぐらいマンガ学科というのができていて、マンガで立国しようという意図が一般的になっているわけなんですね。韓国以外でもアジアの国で、要するにマンガの講演をすると偉い人がいっぱい来るわけですね。財界人の大物だとか大学の大先生だとか。要するにマンガを使って立国してやろうという人たちの志があらわれているわけですけれども、アジアにおいてそうやってぼやぼやしてると置いていかれやしませんか。せっかくいいオリジナルがあるのに、そういう現状があるので、ぜひこれは急がなきゃいけないなと思うのですが、いかがでしょうか。

 

 

 

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