牧野 今の話をお聞きになって土佐さんいかがでしょうか。
土佐 地球を救うって何て答えればいいのかなっていうのが正直な感想なんですけれども、日常的には大変残念ながら地球を救うことはあまり考えていないんですけれども、とても大事なことは、こうやって物を創造する仕事、アーティストの仕事をもう20年近くになりますけどやっていまして、幸いそれを職業とすることができた人間ですが、最初はやはりアートとか作品とかを作る時というのは、人と違うことイコール自己主張が求められると思っていたんですね。それに新しい美的価値をつけることではないかと思っていたんですけれども。最近というか、ちょっと前から違うと思うようになったんですね。
違うというのはどういうことかというと、こういうものしか創造できない形になってくるという絶対的な価値とか絶対的な形とか、そういう絶対値というものがあるんじゃないかと思えるようになってきたんですね。それは無理に自分で主張しなくても必然的に出てくるところで、そういう境地にまで達しないといい作品はできないと思うようになりました。そういうことを考えながら作品をつくっていくと、おのずと作品の作風とかも形成されてくるし、それはどういうことかというと、他のほかの人の心も掴むことができるんですね。いわゆる精神分析体系ですか、意識か無意識、潜在意識という形になってみんなと繋がっているじゃないですか。その次に、植物とか宇宙につながるような意識体みたいなものがありますね。そういう世界に表現したものがだんだん近づいていくと、多くの人との共通の輪というものができてくるのではないかなという気になったんです。無理にいろいろなことを自己主張するのではなくて。それをどうやっていろいろな人に伝えればいいかというのは、もちろんそういう作品とかいったもので主張するのもいいだろうし、もっと物事を歴史的に見ていく視点というものが大事なのではないかなと思うんです。